本ページでは IB English B の科目内容と内部評価、外部評価について超わかりやすく解説していきます。
この記事を読めば誰でも一瞬で English B で何を学び、評価がどのようにして決まるのか、何に向けて対策すればいいのかが分かります。
ぜひ最後まで読んでみてください!
English B で学ぶこと
English B では2年間を通して5つのテーマに基づいて勉強します。
授業で扱う教科書にはこのテーマと同じ5つの章があり、さらにその中から細かいテーマ(ユニット)を選択することができます。
各テーマごとに3つのユニットが存在します。
テーマ | ユニット |
---|---|
Identities | Citizens of the world |
Belief and identity | |
Beauty and health | |
Experiences | Pilgrimage |
Extreme sports | |
Migration | |
Human Ingenuity | Future humans |
Technology and human interaction | |
Redefining art | |
Social Organizations | Minorities and education |
Partners for life | |
The future of jobs | |
Sharing the Planet | Ending poverty |
Climate change | |
Power to the people |
各テーマにおいて1つのユニットを選択して授業を行います。
僕の場合は、時に生徒がユニットを選択し、時に先生がユニットを選択して授業を進行することがありました。
その中のテクストを読んだり、問題を解いたりします。
しかし、これら5つのテーマを勉強するのですが、このテーマについて学んだことが最終試験で必須と感じたことはありません。
5つのテーマが特に重要になってくるのが内部評価の Individual Oral(IO / 個人口述)です。
あとは、授業では教科書の内容に関する生徒間でのディスカッションなどが行われるため、その中で英語力を身に着けていくことができます。
この5つのテーマの学習に加えて学ぶのがテクストタイプです。
テクストアイプとは簡単に言うと文章の種類の事です。(手紙や新聞などなど)
僕は授業で15個のテクストタイプを勉強しました。
Diary entry | Personal letter / email | Journal entry |
Formal letter | Essay | Proposal |
Instructions / guidelines | News report | Article |
Blog entry | Brochure / pamphlet / leaflet | Interview |
Review | Editorial | Speech |
授業で習ったのはこれだけですが、試験ではこれ以外にもいくつか別の種類のテクストが出てくる可能性があります。
Flyer | Letter to the editor | Opinion column |
Official report | Social media posting | Online forum posting |
これらについては学校によって学ぶところと学ばないところがあると思います。
対策する場合は過去問を見るのがいいでしょう。
ここまでは SL と HL で共通の内容ですが、HL ではこれに加えて文学作品を2つ授業で扱います。
文学作品についても各テーマと関連付けて学習していきます。
English B での4つの評価物
まず、皆さんもご存じの通り、英語では常に4つの技能が求められます。
- ライティング
- リスニング
- リーディング
- スピーキング
IB English B も同じで、これら4技能を測定する4つの試験をもとに成績がつけられます。
外部評価 | Paper1(ライティング) |
Paper2(リーディング) | |
Paper2(リスニング) | |
内部評価 | Individual Oral(スピーキング) |
Paper1~ Paper2は外部評価のため最終試験で行い、
IO は内部評価のため、最終試験とは別(試験より前)に先生と行います。
以降はこれら4つの試験の特徴と点数の比重について解説していきます。
Paper1の特徴と評価方法
まず、Paper1はライティング試験となります。
試験内容は以下の通りです。
Paper1 | |
---|---|
試験時間 | SL:1時間15分 HL:1時間30分 |
試験形式 | ライティング試験 / 大問選択式 |
単語数 | SL:250〜400語 HL:450〜600語 |
点数(満点) | 30点 |
比重 | 25% |
SL と HL では問題の内容も異なりますが、難易度の違いはないと感じます。(過去問を見た感じ)
評価項目はクライテリア A~C の3つあります。
Criterion A(Language) | Criterion B(Message) | Criterion C(Format) |
---|---|---|
1~3点 | 1~3点 | 1~3点 |
4~6点 | 4~6点 | 4~6点 |
7~9点 | 7~9点 | |
10~12点 | 7~9点 |
それぞれの評価項目について簡単に説明します。
Criterion A(Language) | ・言語の習熟度がほとんど正確で非常に効果的であること。 ・語彙が課題に適切であり、多様で、イディオム的な表現も使用されていること。 ・基本的な文法構造とより複雑な文法構造の両方が効果的に使われていること。 ・言語がほとんど正確で、より複雑な文法構造における細かなエラーがコミュニケーションに支障をきたさないこと。 |
Criterion B(Message) | ・課題が効果的に達成されていること。 ・アイデアが課題に関連していること。 ・アイデアが詳細や関連する例を提供しながら、完全に展開されていること。 ・アイデアが明確に提示され、回答はメッセージの伝達を支える論理的かつ統一的な方法で構成されていること。 |
Criterion C(Format) | ・概念的な理解が十分に示されていること。 ・テクストの種類の選択が、文脈、目的、および対象となる読者に適切であること。 ・使用されている文章とトーンが、課題の文脈、目的、および対象となる読者に適切であること。 ・回答は選択されたテクストの種類の慣例を十分に取り入れていること。 |
クライテリア A は英語力が問われますが、残りの60%分の点数は主にライティングのテクニックによってとることができます。
その60%分の点数を伸ばす方法を別の記事で紹介しているので、ぜひチェックしてみてください!
Paper2の特徴と評価方法
Paper2はリーディングとリスニング試験となります。
この2つは同じ Paper2でも別々の試験のように扱われます。
リーディングとリスニング試験をそれぞれ説明していきます。
リーディング試験
リーディング試験の形式は SL と HL のどちらも同じです。
試験の内容は以下の通りです。
Paper2(リーディング) | |
---|---|
試験時間 | 1時間 |
試験形式 | リーディング試験 (選択・記述問題) |
セクション | A〜C |
テクスト | セクションごとに400〜500語 |
点数(満点) | 40点 |
比重 | 25% |
Paper2に関しては、SL と HL で難易度の差が大きいです。
SL と HL のどちらにおいてもテクストは A~C にかけて難易度が高くなります。
そして、SL のテクスト C が HL のテクスト A と同じ難易度となっています。
SL の一番難しい問題が HL では一番簡単な問題の枠となっているのです。
SL Text A < SL Text B < SL Text C = HL Text A < HL Text B < HL Text C
リスニング試験
試験の内容は以下の通りです。
Paper2(リスニング) | |
---|---|
試験時間 | SL:45分 HL:1時間 |
試験形式 | リスニング試験 (選択・記述問題) |
セクション | A〜C |
音声 | セクションごとに別々の音声 |
点数(満点) | 25点 |
比重 | 25% |
音声はそれぞれ2回ずつ読まれます。
音声が流れている最中もメモを取ることができます。
また、次の音声が始まるまでに時間(5分ほど)があるため、その時間で答えを記入したり、メモを取ったりと比較的余裕をもって試験を行うことができます。
Individual Oral(IO)の特徴と評価方法
IO はスピーキング試験に当たるものです。
試験内容は以下の通りです。
Individual Oral | |
---|---|
試験時間 | 12〜15分 |
試験形式 | スピーキング試験 (先生と1対1) |
お題 | SL:初見の画像 HL:授業で扱った本 |
点数(満点) | 30点 |
比重 | 25% |
この試験は SL と HL で内容が多少異なるため、それぞれについてわかりやすく説明していきます。
Individual Oral SL
SL の試験内容はこんな感じです。
試験内容 | 時間 |
---|---|
準備時間 | 15分 |
発表 | 3~4分 |
先生からの質問 | 4~5分 |
ディスカッション | 5~6分 |
はじめに15分間の準備時間が与えられます。
SL の場合は、授業で学んだ5つのテーマに関連する画像が2つ提示され、その中から1つを選択します。
画像を選択したら、画像に写っているものや、メッセージ、特定のテーマとの関連性などについて考察し、簡単なメモを作成します。
このメモは実際に発表を行う際に持ち込むことができます。
この次はメモした内容について3~4分間先生の前で話します。
その後は4~5分間、先生から一方的にテーマとの関連性や、自分が先に述べたことに関して質問が来ます。
そして、最後の5~6分間はディスカッションです。
先生から質問が来るのに加えて、生徒から先生に質問する必要があります。
試験の評価も SL と HL で少し異なります。
Criterion A(Language) | Criterion B1 (Message – visual stimulus) | Criterion B2 (Message – conversation) | Criterion C (Interactive skills – communication) |
---|---|---|---|
0 | 0 | 0 | 0 |
1~3 | 1~2 | 1~2 | 1~2 |
4~6 | 3~4 | 3~4 | 3~4 |
7~9 | 5~6 | 5~6 | 5~6 |
10~12 |
それぞれの評価項目について簡単に説明します。
Criterion A(Language) | ・言語の使い方がほとんど正確で非常に効果的であること。 ・語彙が課題に適切であり、多様で、イディオム表現も含まれていること。 ・基本的な文法構造とより複雑な文法構造が効果的に使用されていること。 ・言語がほとんど正確であり、より複雑な文法構造におけるわずかなエラーがコミュニケーションに支障をきたさないこと。 ・発音とイントネーションが理解しやすく、意味の伝達に役立つこと。 |
Criterion B1 (Message – visual stimulus) | ・プレゼンテーションが画像に関連しており、明示的および暗黙的な詳細を活用していること。 ・プレゼンテーションが画像に関連する説明と個人的な解釈の両方を提供していること。 ・プレゼンテーションが画像が対象とする文化と明確な関連性を示しています。 |
Criterion B2 (Message – conversation) | ・受験者の回答が一貫して質問に関連しており、一定の展開が見られること。 ・回答が一貫して適切で展開されていること。 ・回答が広範で深い内容を含んでおり、個人的な解釈や対話相手との関わり(conversation)を試みていること。 |
Criterion C (Interactive skills – communication) | ・理解と対話が一貫して維持されていること。 ・受験者が対象言語で回答し、理解を示していること。 ・会話への参加が一定の独自の貢献を伴って維持されていること。(先生からの一方的な質問だけでなく、自分からも質問を投げかける) |
English B SL の IO で話すべき内容についてはこちらの記事で紹介しているのでぜひ確認してみてください!
Individual Oral HL
HL の試験内容はこんな感じです。
試験内容 | 時間 |
---|---|
準備時間 | 20分 |
発表 | 3~4分 |
先生からの質問 | 4~5分 |
ディスカッション | 5~6分 |
HL でははじめに20分間の準備時間が与えられます。
HL は授業で扱った2種類の本からの約300語の抜粋が提示され、その中から1つを選択します。
SL と同様にこの時間で発表内容をメモすることができます。
抜粋の要約、作品全体との関連、登場人物や出来事、テーマに対する自身の考えなどをまとめます。
その後は SL の試験と同じです。
先生からの一方的な質問、そして先生とのディスカッションを行い終わりです。
試験の評価は Criterion B1が少し SL と異なります。
Criterion A(Language) | Criterion B1 (Message – literary extract) | Criterion B2 (Message – conversation) | Criterion C (Interactive skills – communication) |
---|---|---|---|
0 | 0 | 0 | 0 |
1~3 | 1~2 | 1~2 | 1~2 |
4~6 | 3~4 | 3~4 | 3~4 |
7~9 | 5~6 | 5~6 | 5~6 |
10~12 |
それぞれの評価項目について簡単に説明します。
Criterion A(Language) | ・言語の使い方がほとんど正確で非常に効果的であること。 ・語彙が課題に適切であり、メッセージ性を高めるように微妙で多様なものであり、イディオム表現の目的を持って使用されていること。 ・基本的な文法構造とより複雑な文法構造の両方が、コミュニケーションを向上させるために選択的に使用されていること。 ・言語がほとんど正確であり、より複雑な文法構造におけるわずかなエラーがコミュニケーションに支障をきたさないこと。 ・発音とイントネーションが非常に明瞭であり、コミュニケーションを高めていること。 |
Criterion B1 (Message – literary extract) | ・プレゼンテーションが文学の抜粋に一貫して関連性があり、説得力があること。 ・受験者が抜粋を効果的に活用しており、観察や意見が効果的に展開され、抜粋への参照を交えて支持されていること。 |
Criterion B2 (Message – conversation) | ・受験者の回答が一貫して問題に関連し、一定の展開が見られること。 ・回答が一貫して適切で展開されていること。 ・回答が幅広い範囲と深さを持ち、個人的な解釈や対話相手との関与を試みていること。 |
Criterion C (Interactive skills – communication) | ・理解と対話が一貫して維持されていること。 ・受験者は対象言語で回答し、理解を示していること。 ・会話への参加が一定の独自の貢献を伴って維持されていること。(先生からの一方的な質問だけでなく、自分からも質問を投げかける) |
最後に
これで IB English B の科目内容、評価物について大切なところはすべて説明しました。
今後、それぞれのテストに応じた勉強方法や点数を伸ばすコツについても記事を書いていくのでその時は確認してみてください!
では、また別の記事でお会いしましょう!