本ページでは2023年に新たに発表された理科系科目(Group4)の新しいシラバスについて解説していきます。
シラバスが変更されるということは、授業で扱う内容、試験や IA などの評価物の変更されるということです。
とても大切なことなので、ぜひ最後まで読んでください!
また、今までの科目内容と比較したい場合はこちらの記事も確認してみてください!
変更が適用される科目
今回、授業内容と試験内容に変更があった科目は全部で4科目あります。
- Chemistry(化学)
- Biology(生物)
- Physics(物理)
- ESS
本ページでは、この4つ中でも変更内容が共通である化学・物理・生物の3つについて解説します。
この3つの科目は、これまでも試験の形式や IA の評価項目が共通であり、今回変更が加えられた後も共通の内容となっています。
授業内容の変更
今回の変更によって、化学・物理・生物の3科目の学習内容に、新たに加えられれた内容となくなった内容があります。
学習内容の変更については、それぞれの科目ごとに説明します。
化学の学習内容
IB 化学 における学習内容の変更点は現段階では明確には分かりません。
しかし、今までの学習内容は21個の単元と4つの選択項目から構成されていましたが、新しいシラバスでは、3つの “Structure” と 3つの “Reactivity” という分類で分けられています。
“Structure”, “Reactivity” の中には細かな章が設けられています。
また、今まであった4つの選択項目がなくなりましたが、その内容の一部が通常の授業内容に組み込まれている可能性があります。
※この変更内容は IB 公式のホームページが PDF を共有しているので確認してみてください。
物理の学習内容
IB 物理 における学習内容の変更点は現段階では明確には分かりません。
しかし、今までの学習内容は12個の単元と4つの選択項目から構成されていましたが、新しいシラバスでは、A~E の5つの大きな項目 に分類されています。
この A~E の項目の中には細かな章が設けられています。
また IB 物理では、今まであった4つの選択項目がなくなり、その内容の一部が通常の授業内容に組み込まれました。(相対性理論、天体物理学)
※この変更内容は IB 公式のホームページが PDF を共有しているので確認してみてください
生物の学習内容
IB 生物 における学習内容の変更点は現段階では明確には分かりません。
しかし、今までの学習内容は11個の単元と4つの選択項目から構成されていましたが、新しいシラバスでは、4つの大きな項目 に分類されています。
4つの項目内には、より細かな章が設けられています。
また、生物でも、今まであった4つの選択項目がなくなり、その内容の一部が通常の授業内容に組み込まれています。
※この変更内容は IB 公式のホームページが PDF を共有しているので確認してみてください
評価物の変更
今回の変更によって、化学・物理・生物の3科目の評価物が大きく変わりました。
試験内容の変更は3つの科目について共通です。
まずは、試験の数に変更がありました。
変更前
Paper1(外部評価)
Paper2(外部評価)
Paper3(外部評価)
IA (内部評価)
変更後
Paper1(外部評価)
Paper2(外部評価)
IA (内部評価)
試験数が3つから2つに減りました!
新しいシラバスでは Paper3がなくなりましたが、この変更は授業で選択項目がなくなったことが関係していると考えられます。
(Paper3は4つ選択項目に関する問題が出題される試験でした)
試験数が減ることはうれしいと思うかもしれませんが、試験内容にも大きな変更がありました。
また、IA に関しても細かな変更があったので、それについても説明していきます。
Paper1
Paper1の内容は以前と比べて大きく変わりました。
試験内容は以下の通りです。
Paper1 | |
---|---|
試験時間 | SL:1時間30分 HL:2時間 |
試験形式 | 選択・実験データ活用問題 |
セクション A | SL:選択問題×30 HL:選択問題×40 |
セクション B | 実験データ活用問題 |
点数(満点) | SL:55点 HL:75点 |
比重 | 36% |
今までの試験であれば、Paper1は選択問題のみでした。
しかし、新しいテストでは、以前のPaper1(セクション A)と Paper3(セクション B)を組み合わせたような試験となっています。
そのため、試験時間も以前よりも長くなっています。
また、Paper3がなくなったことで、一つ一つの試験の最終スコアにおける比重も大きくなっています。
Paper2
Paper2の内容は以前と比べて大きな変化はなさそうです。
試験内容は以下の通りです。
Paper2 | |
---|---|
試験時間 | SL:1時間30分 HL:2時間30分 |
試験形式 | 記述・計算問題など |
点数(満点) | SL:50点 HL:90点 |
比重 | SL:44% HL:44% |
変わった点でいえば、試験時間です。
SL と HL のどちらも試験時間が15分伸びています。
また、Paper3がなくなったことによって試験の最終スコアにおける比重も変わっています。
試験の問題形式はほとんど変わっていないと思います。
しかし、授業で学習する内容が多少変わるため、出題される範囲の変更は必ずあります。
Internal Assessment (IA)
IA に関しても細かな変更があります。
今までは “Individual Investigation” という名前だったのが、新しいシラバスでは “Scientific Investigation” に変わりました。
今までの “Individual Investigation” では、その名の通り個人で研究を進めるものでした。
しかし、新しい “Scientific Investigation” では、生徒の小さなグループで、お互いにサポートしながら研究を行う機会が与えられます。
IA のテーマは基本的には今まで通り生徒全員が異なる必要がありますが、場合によっては同じ研究方法で行うことも可能になりました。(得られるデータが異なる場合など)
また、IA の評価項目の配点にも変更があり、結論と評価が IA 全体の50%分の配点が与えらるそうです。
最後に
これで理科系科目の新しいシラバスについて大切なところは説明しました。
今後、より詳しい変更事項が分かったらそちらについても記事を書いていくのでその時は確認してみてください!
では、また別の記事でお会いしましょう!