【簡単解説】IB 生物 の科目内容と内部評価・外部評価

IB

本ページでは IB 生物 の科目内容と内部評価、外部評価について超わかりやすく解説していきます。

この記事を読めば誰でも IB 生物 で何を学び、評価がどのようにして決まるのか、何に向けて対策すればいいのかが分かります。

また、IB 生物 の科目内容は SL と HL で少し異なるので、その違いについても簡単に説明していきます

ぜひ最後まで読んでみてください!

IB は2023年に理科系科目の新しいシラバスを発表しました

これによって、授業で扱う内容や試験内容に変更が生じます

新しいシラバスに基づいた授業内容や試験内容についてはこちらを確認してみてください!

また、僕自身は IB で生物を選択していなかったため、本ページでは自分の経験からのアドバイスやポイントをあげることができません。

その点はご了承ください。

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IB 生物 で学ぶこと

生物で扱う教科書には全部で11個の単元があります。

SL、HL 共通1Cell Biology(細胞生物学)
2Molecular Biology(分子生物学)
3Genetics(遺伝学)
4Ecology(生態学)
5Evolution and Biodiversity(進化と生物多様性)
6Human Physiology(人間生理学)
HL のみ7Nucleic Acids(核酸)
8Metabolism, Cell Respiration, and Photosynthesis
(代謝、細胞呼吸、光合成)
9Plant Biology(植物生物学)
10Genetics and Evolution(遺伝と進化)
11Animal Physiology(動物生理学)

また、これらに加えて、SL と HL のどちらも以下の4つの選択項目から2つを選択して学びます。

Option ANeurobiology and Behavior(神経生物学と行動学)
Option BBiotechnology and Bioinformatics
(バイオテクノロジーとバイオインフォマティクス)
Option CEcology and Conservation(保全生態学)
Option DHuman Physiology(人間生理学)

これら選択項目の中でも、SL と HL での授業時間数は異なります。

僕たちの年はコロナウイルの影響によってこれら選択項目の受講が免除されました

この選択項目は、学校側が決める場合もありますし、生徒が選択できる場合もあります。

選択項目に関する方針は学校によって異なると思いますので、自分たちの先生に直接伺ってみてください。

一般の高校生物とは違う特徴

IB 生物 では関数電卓を用いることができる点が大きく異なる点だと思います。

IB の化学や物理ではデータブックレットや物理資料集をテストで活用することが可能でしたが、生物ではこのようなものはありません

電卓は試験で用いるため、使い方はしっかりと身に着けておく必要があります。

関数電卓の使い方は IB 数学 の授業で習うため心配する必要はありません。

IB 生物 での評価

IB 生物 の成績は3つの外部評価と1つの内部評価で決まります。

外部評価Paper1
Paper2
Paper3
内部評価Internal Assessment

以降はこれら4つの特徴と点数の比重について解説します。

Paper1の特徴

IB 生物 の Paper1の試験内容は以下の通りです。

Paper1
試験時間SL:45分
HL:1時間
試験形式SL:4択の選択問題 × 30
HL:4択の選択問題 × 40
点数(満点)SL:30点
HL:40点
比重20%
電卓使用不可

化学・物理・生物はどれも試験の形式がとても似ています。

SL と HL では試験時間、問題数、点数が異なりますが、問題の出題形式は同じです。

生物の Paper1は(見た感じ)化学の Paper1と似ている気がします。

計算を必要とする問題もあれば、暗記した内容で答えられる問題があります。

この試験で注意するべき点は時間配分だと思います。

この形式の試験は問題数が多いのでテンポよく解いていく必要があります。

一つの問題を約1分以内で解くくらいのペースがいいと思います。(これくらいであれば見直しの時間も取れます)

Paper2の特徴

Paper2の試験内容は以下の通りです。

Paper2
試験時間SL:1時間15分
HL:2時間15分
試験形式記述・計算問題など
セクションA:記述・計算問題など
B:長文記述問題
点数(満点)SL:50点
HL:72点
比重SL:40%
HL:36%
電卓使用可

生物の Paper2は化学と ESS の Paper2を合わせた感じです。

セクション A は化学の試験と同様に、用語や現象について説明する記述問題計算問題はが出題されます。

基本的には各大問のはじめに実験データのグラフや特定の図(イラスト)などが提示され、それに関する問題が出題されます。

セクション B は ESS 試験のセクション B と同様に、長文の記述が求められます。

SL の場合は二つの大問が選択肢として与えられ、その中から一つを選択して解きます。

HL の場合は三つの大問が選択肢として与えられ、その中から二つを選択して解きます。

一つの大問の中には三つの小問題が含まれており、それぞれの配点は

3点・5点・7点

と大きくなっていきます。

ESS と同様に、この形式の問題は記述した文章内で挙げたポイントにつき一点もらえるものだと思います。

そのため、この問題を解くときは配点に注目してその配点分の要点を書くことを意識しましょう

Paper3の特徴

2020年~2022年の試験ではコロナウイルスの影響によって IB 生物 の Paper3が免除されたため、以下の情報は少々異なる可能性があります。必ず自分でも確認してみてください。

Paper3の試験内容は以下の通りです。

Paper3
試験時間SL:1時間
HL:1時間15分
試験形式記述・計算問題 / 大問選択式(セクション B)
セクションA:実験・データ分析問題
B:記述問題
点数(満点)SL:35点
HL:45点
比重SL:20%
HL:24%
電卓使用可

Paper3の試験はセクション A と B の二つのパートがあります。

セクション A では、特定の実験と関連する実験データが提示されます。

それらに基づいて問題が出題されます。

問題はデータの分析や実験方法に関する問が中心に出題されるそうです。

セクション B では、4つの大問が選択肢として挙げられます。

この4つの大問は、先ほど説明した IB 生物 での4つの選択科目

Option ANeurobiology and Behavior(神経生物学と行動学)
Option BBiotechnology and Bioinformatics
(バイオテクノロジーとバイオインフォマティクス)
Option CEcology and Conservation(保全生態学)
Option DHuman Physiology(人間生理学)

に関連したものです。

4つの問題とも Paper2に近い問題形式です。

Internal Assessment の特徴

Internal Assessment(IA)の最終スコアでの比重は SL、HL のどちらも20%です。

IB 生物 の IA では、身近な問題や疑問について自分で実験を組み立てて探求します

自分でテーマを考えて、実験まで組み立てないといけないとなるととても難しいです。

しかし、IA は必ずしも完全オリジナルである必要はありません

少しでもオリジナリティのある研究であれば大丈夫です。

そのため、IA のテーマが決まらないときは、ネット上にある実験を参考にして、そこに少し独自性を加えるという方法でも OK です。

僕自身も化学や物理の IA を行った際は、面白そうな実験をネット上で探してそれをもとに研究を行いました。

IA の評価項目はこんな感じです。(理科系 IA の評価項目は全て統一です)

Personal EngagementExplorationAnalysisEvaluationCommunication
0
1~21~21~21~2
3~43~43~43~4
5~65~65~6
24点満点

それぞれの評価項目について簡単に説明します。

Personal Engagement・個人的な関与の証拠があり、独自の思考、主導性、または創造性があること。
・研究のリサーチクエスチョン(RQ)や調査対象を選択する理由には、個人的な意義、興味、好奇心が示されていること。
・研究の設計、実施、プレゼンテーションにおいて、個人的な貢献と主導性の証拠があること。
Exploration・研究のテーマが明確に示されており、関連性があり、完全に焦点を絞った RQ が明確に説明されていること。
・研究の背景情報が完全に適切で関連性があり、調査の文脈を理解するのに役立つこと。
・研究の方法論が非常に適切であり、収集されたデータの関連性、信頼性、十分性に影響を与える可能性のあるすべてまたはほとんどの重要な要素を考慮していること。
・レポートに、調査の方法論に関連する重要な安全性、倫理、環境問題への完全な認識の証拠が示されていること。
Analysis・レポートには、RQ に対して詳細で妥当な結論を支持するために十分な関連性のある定量的および定性的な生データが含まれていること。
・適切かつ十分なデータ処理が行われ、RQ に対する結論を導くために必要な正確性が保たれていること。
・レポートには、分析における測定不確かさの影響を十分かつ適切に考慮した証拠が示されていること。
・処理されたデータが正しく解釈され、RQ に対する完全に妥当で詳細な結論が導かれていること。
Evaluation・提案された詳細な結論は、RQ に完全に関連し、提示されたデータによって完全にサポートされている。
・結論は、受け入れられた科学的な文脈との適切な比較を通じて正しく説明され、正当化されている。
・研究の強みと弱点、データの制限、誤差の要因などが議論されており、結論を確立するための方法論的な問題に関する明確な理解の証拠となっている。
・生徒は、研究の改善や拡張について現実的で関連性のある提案を議論している。
Communication・研究の提示が明確であり、エラーが焦点、プロセス、結果の理解を妨げないこと。
・レポートが適切に構成されており、必要な情報が焦点、プロセス、結果に関して明確に提示されていること。
・レポートが関連性があり、簡潔であり、焦点、プロセス、結果の理解を容易にすること。
・科目固有の専門用語や慣例の使用が適切で正確であり、エラーが理解を妨げないこと。

IA の前にはガイダンスが行われることがほとんどだと思います。

そこで、より分かりやすく日本語で説明された評価基準も渡されると思うので、そちらを読むことが大切です。

また、IB で扱う生物の教科書にもこの評価項目についての説明が載っていると思うのでぜひ確認してみてください。

生物 IA などの理科系科目のレポートにおいて大切な誤差評価についてこちらで説明しているのでぜひ読んでみてください!

最後に

これで IB 生物 の科目内容、評価についての基本的なところはすべて説明しました。

それぞれのテストに応じた勉強方法や点数を伸ばすコツについての記事も可能であれば書いていくのでその時は確認してみてください!

では、また別の記事でお会いしましょう!

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