【簡単解説】IB 歴史 の科目内容と内部評価・外部評価

IB

本ページでは IB 歴史 の科目内容と内部評価、外部評価について超わかりやすく解説していきます。

この記事を読めば誰でも IB の歴史で何を学び、評価がどのようにして決まるのか、何に向けて対策すればいいのかが分かります。

また、歴史の科目内容は SL と HL で少し異なるので、その違いについても簡単に説明していきます

ぜひ最後まで読んでみてください!

また、僕自身は IB で歴史を選択していなかったため、本ページでは自分の経験からのアドバイスやポイントをあげることができません。

その点はご了承ください。

スポンサーリンク

IB 歴史 で学ぶこと

歴史で扱う教科書には全部で17個の単元がありますが、生徒はその中から4つを選択して学習します。

この4つに加えて、HL 生は4つの選択項目からもう1つ受講する必要があります。

指定学習項目
(2つを選択)
Military leaders
(軍事指導者)
Conquest and its impact
(征服とその影響)
The move to global war
(世界規模の戦争への動き)
Rights and protest
(権利と講義運動)
Conflict and intervention
(紛争と介入)
SL、HL 共通
世界史トピック
(2つを選択)
Society and economy
(社会と経済)
750〜1400年
Causes and effects of wars
(中世の戦争の原因と結果)
750〜1500年
Dynasties and rulers
(王朝と支配者)
750〜1500年
Societies in transition
(過渡期の社会)
1400〜1700年
Early Modern states
(近世の国家)
1450〜1789年
Causes and effects of Early Modern wars
(近世の戦争の原因と結果)
1500〜1750年
Origins, development and impact of industrialization
(産業化のはじまり、発展とその影響)
1750〜2005年
Independence movements
(独立運動)
1800〜2000年
Emergence and development of democratic states
(民主主義国家の発展)
1848〜2000年
Authoritarian states
(独裁主義的国家)
20世紀
Causes and effects of 20th-century wars
(20世紀の戦争の原因と結果)
20世紀
The Cold War: superpower tensions and rivalries
(冷戦:超大国の緊張と対立)
20世紀
SL、HL 共通
HL 選択項目
(1つを選択)
History of Africa and the Middle East
(南アフリカと中東の歴史)
History of the Americas
(南北アメリカの歴史)
History of Asia and Oceania
(アジアとオセアニアの歴史)
History of Europe
(ヨーロッパの歴史)
HL のみ

これら選択項目は、学校側が決める場合もありますし、生徒が選択できる場合もあると思います。

選択項目に関する方針は学校によって異なると思いますので、自分たちの先生に直接伺ってみてください。

一般の高校の歴史とは違う特徴

僕自身 IB で歴史を選択していなかったため一般の高校教育で学習する歴史(世界史)との違いを詳しく説明することは難しいですが、周りの歴史受講者を見て思ったことが二つあります。

一つは、とにかく記述量が多いことです。

IB 以前に学んできた世界史では、歴史的人物や出来事の名前を暗記することが主に自分が行なっていた勉強法でした。

しかし、IB の歴史ではそれだけでなく、自分の持ってる知識と自分自身の考えを文章化してアウトプットすることが多く求められます。

この特徴は歴史の最終試験にも見られます。

二つ目は、自分から率先的に資料を調べることが求められる点です。

僕の周りの歴史受講者はみんな歴史的出来事に関する何かしらの文献を図書室で借りて読んでいました。(IA のためでもあると思います)

教科書に載っている内容だけでなく、他の文献からも知識を身につける意識が大切なのだと思います。

IB 歴史 での評価

IB 歴史 の成績は3つの外部評価と1つの内部評価で決まります。

外部評価Paper1
Paper2
Paper3
内部評価Internal Assessment

以降はこれら4つの特徴と点数の比重について解説します。

Paper1の特徴

IB 歴史 の Paper1の試験内容は SL と HL で共通です。

試験内容は以下の通りです。

Paper1
試験タイプ資料問題 / 大問選択式
試験時間1時間
点数(満点)24点
比重SL 30%・HL 20%

資料問題とは、図や文章(抜粋)などが載っている資料を用いて問題を解く試験です。

また、この試験は先ほど紹介した5つの指定学習項目から出題されます。

生徒はこの指定学習項目に基づいた5つの大問から1つを選択して解きます

この試験の点数を24点満点で、配点は以下のとおりです。

3点・2点・4点・6点・9点

最後には長文の記述問題が出題されます。

他の科目でも説明していますが、この形式の記述問題は記述した文章内で挙げたポイントにつき一点もらえるものが多いと思います。

中には評価項目が存在するものもあります。

この問題を解くときは配点に注目してその配点分の要点を書くことを意識しましょう

Paper2の特徴

Paper2の試験内容は SL と HL で共通です。

試験内容は以下の通りです。

Paper2
試験タイプ小論文形式 / 大問選択式
試験時間1時間30分
点数(満点)30点
比重SL 45%・HL 25%

歴史の Paper2は長文の記述問題です。

また、Paper1と同様に24の大問の中から2つを選択して解きます

この24個の大問は先ほど紹介した12個の世界史トピックに基づいた問題です。

各トピックにつき2種類の大問があり、合計で24個ということです。

一つの大問につき最大15点もらえることができます。

僕たちの年はコロナの影響で試験時間と問題数が半分に減ったらしいです。

出題される問題の特徴などは変わらないので過去問は役立てることができます。

Paper3の特徴

Paper3の試験は HL 生のみが受験します。

試験内容は以下の通りです。

Paper3
試験タイプ小論文形式 / 大問選択式
試験時間2時間30分
点数(満点)45点
比重35%

Paper3の試験は先ほど紹介した HL 選択項目から出題されます。

この試験も Paper2同様、長文の記述問題です。

時代ごとに区分されたセクションが18個あり、その中に2つずつ問題が含まれています。(合計36問)

その36個の大問の中から3つの問題を選択して解きます

各問題の配点は15点で、最大45点を取ることが可能です。

僕たちの年はコロナの影響で試験時間と問題数が減ったらしいです。

出題される問題の特徴などは変わらないので過去問は役立てることができます。

Internal Assessment の特徴

Internal Assessment(IA)の最終スコアでの比重は SL 25%、HL 20%です。

IB 歴史 の IA では、興味のある歴史的出来事に関する調査を行いレポートを作成します。

IA の評価項目はこんな感じです。

Criterion A: Identification and evaluation of sourcesCriterion B: InvestigationCriterion C: Reflection
1〜21~31~2
3〜44~73~4
5〜68~11
12〜15
25点満点

それぞれの評価項目について簡単に説明します。

Identification and evaluation of sources・研究のための適切なリサーチクエスチョン(RQ)が明確に述べられていること。
・適切で関連性のある情報源が選択され、その情報源の関連性が明確に説明されていること。
・二つの情報源について詳細な分析と評価が行われ、その価値と制限が明示的に議論されていること。
・分析と評価に情報源の起源、目的、内容についての言及が含まれていること。
Investigation・研究が明確で一貫性があり、効果的に組織されていること。
・研究に十分に展開された批判的な分析が含まれており、明確に RQ に焦点を当てていること。
・範囲の広い情報源から効果的に根拠を引用し、主張を支持していること。
・異なる視点の評価が行われていること。
・研究が提供された根拠と議論に合致した結論を論じていること。
Reflection・振り返りが研究よって明らかになった歴史家の用いた方法に焦点を当てていること。
・振り返りが歴史家が直面する課題や使用される方法の制限に対する明確な認識を示していること。
・振り返りと研究の他の部分との間に明確で明示的な関連性があること。

IA の前にはガイダンスが行われることがほとんどだと思います。

そこで、より分かりやすく日本語で説明された評価基準も渡されると思うので、そちらを読むことが大切です。

また、IB で扱う歴史の教科書にもこの評価項目についての説明が載っていると思うのでぜひ確認してみてください。

最後に

これで IB 歴史 の科目内容、評価についての基本的なところはすべて説明しました。

それぞれのテストに応じた勉強方法や点数を伸ばすコツについての記事も可能であれば書いていくのでその時は確認してみてください!

では、また別の記事でお会いしましょう!

タイトルとURLをコピーしました