本ページでは IB TOK の科目内容と評価物について解説していきます。
この記事を読めば IB TOK で何を学び、評価がどのようにして決まるのかが分かります。
自分は今でも TOK を完全に理解できていないです。
そして、多くの人がそうだと思います。
本ページでは TOK の簡単な概要がわかってもらえるように内容をまとめました。
また、TOK のより細かな内容を理解するために重要なキーワードについて解説してるので、以下の記事もぜひ確認してみてください!
そもそも TOK って何?
まず、TOK は Theory of Knowledge の略であり、知の理論とも言います。
TOK は IB DP コアの一つであり、他の選択する科目とは異なり、IB 生全員が受ける授業です。
また、成績も他の科目のように7点満点ではなく、TOK の成績は IB の45点満点のうちの3点のボーナスポイントに関わってきます。
そんな TOK の授業では、他の授業のように特定の知識を身につけるのではなく、知識そのものと、物事を知るプロセスを探求します。
この授業を通して、
・知識の本質の理解
・批判的思考の発展
・知識の獲得と評価のプロセスの理解
・コミュニケーションスキルの発展
・多様な視点と異なる価値観の理解
などを試みます。
TOK のコース概要
自分が TOK の授業を受けていて最も印象的だったのは、グループディスカッションを行うことがとても多いことです。
ディスカッションを行わない授業は1回もありませんでした。
TOK の内容は難しいと言うよりも理解に苦しむ感じだったので、グループ内で議論を行い、お互いに考えを共有し合う機会はとても助かります。
そんな TOK にも他の科目同様に明確に学習する内容が決まっています。
当時自分は TOK にも単元があることを認識していなかったのですが、以下のように学習内容が定められているそうです。
Core Theme | Knowledge and the Knower(知識と知る人) |
Optional Themes (2つ選択) | ・Knowledge and Technology(知識と技術) ・Knowledge and Language(知識と言語) ・Knowledge and Politics(知識と政治) ・Knowledge and Religion(知識と宗教) ・Knowledge and Indigenous Societies(知識と土着の社会) |
Areas of Knowledge (AOK) | ・History(歴史) ・The Human Sciences(人間科学) ・The Natural Sciences(自然科学) ・The Arts(芸術) ・Mathematics(数学) |
Core Theme では、TOK を学ぶ上での基礎となる、「知識」そのものと「知識を得るもの」について学びます。
そして、Optional Themes では、5つのオプションの中から2つを選択して学習します。
実社会の例などを取り上げながら議論を行なっていきます。
最後の、Areas of Knowledge(AOK / 知識の領域)は TOK の中でも特に大事な内容だと思います。
それぞれの AOK で知識はどのように生成され、どのように扱うのか、信頼性はどうなのか、などを比較することがよくあります。
AOK によって知識に関する特徴が大きく異なるため、議論を行う際に考慮するととても良いです。
IB TOK での評価
TOK の成績は1つの外部評価と1つの内部評価で決まります。
内部評価 | TOK 展示 |
外部評価 | TOK エッセイ |
以降はこれら2つの特徴と点数の比重について解説します。
TOK 展示の特徴
TOK 展示(内部評価)の内容は以下の通りです。
TOK 展示 | |
---|---|
レポート内容 | 3つの事物に関する議論 |
字数 | 950語以内(英語) 1900字以内(日本語) |
点数(満点) | 10点 |
比重 | 33% |
TOK 展示では、はじめに、35個のプロンプトの中から1つを選択します。
いくつかテーマの例を挙げると、
- 知識とは何を指すのか?
- 知識の種類の中には、他の種類よりも有用なものが存在するのか?
- 知識の信頼性に影響を与える要素は何か?
- 主張を疑う理由は何があるのか?
- 主張に対してどのような証拠が良いとされるのか?
- etc.
といった感じの問いです。(実際の問いでは使われている言葉や表現が少し異なる可能性があります)
テーマを選択したら、そのプロンプトに関連する事物を3つ取り上げます。
僕は特定のネット記事や研究論文を取り上げました。
他にも、政治家による SNS 投稿や、特定の映画を取り上げたりする人もいます。
ここで大切なのは、抽象的なものではなく、なるべく具体的な事物を選択することです。
事物を選択することができたら、選択したプロンプトに沿ってレポートを書いていきます。
多様な視点から分析を行い、内容の深いレポートに仕上げましょう。
TOK 展示の評価項目は以下の通りです。
9〜10点を取るために必要な要素 | |||||
---|---|---|---|---|---|
・3つの事物とそれらの具体的な実社会の文脈を明確に特定している。 ・3つの事物と選択した IA プロンプトのつながりを明らかにしてよく説明している。 ・それぞれの事物が展示にもたらす特別な意義を効果的に正当化している。 ・論点が適切なエビデンスによって裏づけられており、選択した IA プロンプトへの明確な言及がなされている。 | |||||
TOK エッセイの特徴
TOK エッセイ(外部評価)の内容は以下の通りです。
TOK 展示 | |
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レポート内容 | 選択したエッセイタイトルに関する議論 |
字数 | 1600語以内(英語) 3200字以内(日本語) |
点数(満点) | 10点 |
比重 | 67% |
TOK エッセイでは、はじめに、6個のエッセイタイトルの中から1つを選択します。
このエッセイタイトルは、TOK エッセイの提出期限の6ヶ月前に発表されます。
エッセイタイトルを決めたら、早速書いていくのですが、書く際にはエッセイタイトルで言及されている内容に賛成か反対か、自分の立場を選択します。
TOK では不正解はないので、自分が実際に思う立場を選択して大丈夫です。
その後は、自分の立場や意見を伝えるために、2種類の AOK からそれぞれ事物や事例を1つずつ取り上げて議論していきます。
TOK エッセイでもさまざまな分野の事例に当てはめてみたり、考えられる反論を取り上げたりと多角的に分析を行うと良いエッセイが書けると思います。
また、自分の考えがしっかりと伝わるように、エッセイの流れを論理的に構成することも大切です。
TOK エッセイの評価項目は以下の通りです。
9〜10点を取るために必要な要素 | |||||
---|---|---|---|---|---|
・所定課題(エッセイタイトル)に常に焦点をあてながら議論を進めている。 ・論旨は明確で筋が通っており、具体的な例で効果的に裏づけられている。 ・論旨の深い意味や影響まで考慮している。 ・さまざまな視点を明確に認識して、評価している。 | |||||
最後に
これで TOK の科目内容、評価についての基本的なところはすべて説明しました。
しかし、TOK には今回説明したもの以外にも大切な要素がいくつもあります。
それら細かな内容やそれぞれの評価物に応じた点数を伸ばすコツについての記事も今後書いていくのでその時は確認してみてください!
では、また別の記事でお会いしましょう!