【簡単解説】IB Economics の科目内容と内部評価・外部評価

Economics

本ページでは IB Economics の科目内容と内部評価、外部評価について超わかりやすく解説していきます。

この記事を読めば誰でも IB Economics で何を学び、評価がどのようにして決まるのか、何に向けて対策すればいいのかが分かります。

また、IB Economics の科目内容は SL と HL で少し異なるので、その違いについても簡単に説明していきます

ぜひ最後まで読んでみてください!

また、僕自身は IB Economics を選択していなかったため、本ページでは自分の経験からのアドバイスやポイントをあげることができません。

その点はご了承ください。

IB Economics で学ぶこと

Economics で扱う教科書には4個のユニットがあります。

これらはすべて SL と HL で共通です。

SL、HL 共通ユニット1Introduction to Economics
2Microeconomics
3Macroeconomics
4The Global Economy

SL と HL で異なる点は授業時間数です。

以下に各ユニットにかける時間を記しました。

ユニットSL 時間数HL 時間数
Introduction to Economics1010
Microeconomics3570
Macroeconomics4075
The Global Economy4565
これに IA の20時間分を加えて、SL:合計150時間 HL:合計240時間

学ぶユニットは同じなのに授業時間数が異なるのは、ユニットの中でさらに細かな章に分かれており、HL のみが学ぶ単元や内容があるからです。

一般の高校とは違う特徴

まず、Economics(経済)を IB 以前の教育で学ぶことはほとんどなかったと思います。

IB Economics は英語で行われる授業です。(学校によって異なる可能性あり)

僕も2〜3回ほど授業を受けてみたことがありますが、とても面白いと感じました。

IB Economics では他の IB 科目と同様に関数電卓を用いることができます。

電卓は試験で用いるため、使い方はしっかりと身に着けておく必要があります。

関数電卓の使い方は IB 数学 の授業で習うため心配する必要はありません。

IB Economics での評価

IB Economics の成績は3つの外部評価と1つの内部評価で決まります。

外部評価Paper1
Paper2
Paper3(HL のみ)
内部評価Internal Assessment

以降はこれら4つの特徴と点数の比重について解説します。

Paper1の特徴

IB Economics の Paper1の形式は SL と HL で同じです。

試験内容は以下の通りです。

Paper1
試験時間1時間15分
試験形式長文記述問題 / 大問選択式
点数(満点)25点
比重SL:30%
HL:20%
電卓使用不可

試験では3つの大問が出題され、受験者はその中から1つを選択して解きます。

各大問は (a) と (b) から構成されており、それぞれの配点が10点と15点です。

これらは以下の評価項目に基づいて採点されます。

(a) で9〜10点を取るために必要な要素
・質問の具体的な要求事項が理解され、対処されている。
・関連する経済理論が完全に説明されている。
・適切な経済用語が回答全体で適切に使用されている。
・適切な場合には、関連する図表が含まれ、完全に説明されている。
(b) で13〜15点を取るために必要な要素
・質問の具体的な要求事項が理解され、対処されている。
・関連する経済理論が完全に説明されている。
・回答全体で適切に経済用語が使用されている。
・適切な場合には、関連する図表が含まれ、完全に説明されている。
・回答には効果的かつバランスの取れた総合的な分析または評価の証拠が含まれている。
・議論をサポートするために関連する現実世界の例が特定され、十分に展開されている。

Paper2の特徴

Paper2の形式も SL と HL で同じです。

試験内容は以下の通りです。

Paper2
試験時間1時間45分
試験形式資料問題 / 大問選択式
点数(満点)40点
比重SL:40%
HL:30%
電卓使用可

試験では2つの大問が出題され、受験者はその中から1つを選択して解きます。

各大問では文章の抜粋と数値データの載った表が提示され、それもをもとに問題を解いていきます。

問題は (a)〜(g) まであります。

(a)〜(f) までの問題の配点は4〜5点ですが、最後の (g) は配点が15点の長文記述問題です。

((a)、(b) は (i)、(ii) などのいくつかの細かな問題で構成されており、その合計が4〜5点です)

(g) の記述問題は以下の評価項目に基づいて採点されます。

(g) で13〜15点を取るために必要な要素
・質問の具体的な要求事項が理解され、対処されている。
・関連する経済理論が完全に説明されている。
・回答全体で適切に経済用語が使用されている。
・適切な場合には、関連する図表が含まれ、完全に説明されている。
・回答には効果的かつバランスの取れた総合的な分析または評価の証拠が含まれている。
・テキスト / データからの情報の使用が適切であり、関連性があり、分析 / 評価に基づいた論理的な議論を形成するために使用されている。

Paper3の特徴

Paper3は HL のみが受験します。

試験内容は以下の通りです。

Paper3
試験時間1時間45分
試験形式記述・計算問題など
点数(満点)60点
比重30%
電卓使用可

Paper3の試験では各30点の大問を2つ解きます。

テキスト、グラフ、表などが提示され、それらに基づいて短答、記述、計算問題を解きます。

また、各大問の (b) は配点10点の長文記述問題です。

(b) を2つ解くだけで試験の約3割の点数に影響があると考えると絶対に落としたくない問題です。

そんな (b) の記述問題は以下の評価項目に基づいて採点されます。

(b) で9〜10点を取るために必要な要素
・回答には適切な政策が特定され、十分に説明されている。
・回答は関連する経済理論を効果的に使用して推奨をサポートしている。
・回答全体で適切に経済用語が使用されている。
・テキスト / データからの情報の使用が適切であり、関連性があり、分析 / 評価を効果的にサポートしている。
・回答には効果的かつバランスの取れた総合的な合成または評価の証拠が含まれている。

Internal Assessment の特徴

Economics の IA は他の科目のものとは少々異なります。

IA の内容は以下のとおりです。

Internal Assessment
概要3つのユニット(ユニット1を除く)ごとにレポートを一つ作成する
単語数(英語)各800語
点数(満点)45点(14×3+3)
比重SL:30%
HL:20%

Economics では実質 IA が3つあります

3つの別々のレポートを書かなければなりません。

これらは、ユニット1を除く以下の3つのユニットに関連する内容です。

ユニット
Microeconomics
Macroeconomics
The Global Economy

生徒はユニットに関連した1年以内の実際の記事を見つけ、内容についての議論をレポートにまとめます

Economics IA の評価項目は以下のとおりです。

DiagramsTerminologyApplication and analysisKey conceptEvaluation
0
14点満点

一つ一つのレポートがこの評価項目によって採点されます。

1つのレポートの満点が14点で、3つとも満点だった場合42点もらうことができます。

これに加えて、3つのレポートに関するルールが守られていた場合にプラスで3点与えられます。

そのルールというのが、

  • 3つの記事がそれぞれ別々のユニットに関連していること
  • それぞれの記事が適切かつ異なる情報源から引用されていること
  • それぞれの記事が1年以内のものであること

の3つです。

Rubric requirements
3点満点

この3点を加えて、全部で45点満点となります。

次に、それぞれの評価項目について簡単に説明します。

Diagrams・関連性があり、正確で正しくラベル付けされた図表が含まれており、十分に説明されていること。
Terminology・レポート全体で、記事に関連する経済用語が適切に使用されていること。
Application and analysis・レポート全体にわたって、関連する経済理論が適用され、効果的な経済分析が行われていること。
Key concept・重要な概念が特定され、記事への関連性が完全に説明されていること。
Evaluation・効果的かつバランスの取れた論拠に基づいて判断が行われていること。
Rubric requirements・3つの要件が満たされていること。

IA の前にはガイダンスが行われることがほとんどだと思います。

そこで、より分かりやすく日本語で説明された評価基準も渡されると思うので、そちらを読むことが大切です。

また、IB で扱う Economics の教科書にもこの評価項目についての説明が載っていると思うのでぜひ確認してみてください。

最後に

これで IB Economics の科目内容、評価についての基本的なところはすべて説明しました。

それぞれのテストに応じた勉強方法や点数を伸ばすコツについての記事も可能であれば書いていくのでその時は確認してみてください!

では、また別の記事でお会いしましょう!

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